Global Healthの世界で働く経営コンサルタント

Global Healthの世界で活躍する

先進国の人にとっての国際開発とは

この国際開発の世界での仕事も少しずつ慣れてきたが、いまだにいろいろと考えさせられる。

某国際機関で今自分は働いているのだが、低所得国の省庁において、優秀で、英語に堪能で、専門知識・経験を持つ人間を、国際開発機関のプロジェクトスタッフや国際機関にガンガン引っ張っていくのは、本当にその国をよくする事に繋がるのだろうか。彼ら彼女らが優秀であればあるだけ、中長期的に国際機関の他国事務所や本部に異動させる力も働く。もちろん、このような人々が、成長して自国の大臣になるケースも複数見聞きしているので、必ずしも批判をしているわけではないのだが。。。スタンスをとるなら、個人のキャリアとしては完全に賛成。国成長に対しては反対かな。僕にはBrain drainに思えるので。(余談だが、MPH同級生の医師たちが、卒業後は母国へ貢献する事を条件に日本の奨学金によりアメリカに留学し、石にしがみついてでもアメリカで医師・研究者としての仕事を獲得していたのも同じ話かと。)

同様に、低所得国では、弁護士や医師、科学分野のPh.Dの人たちが、最も稼げるからと高級取りの同時通訳として、日夜国際機関の通訳をしている姿を見ました。彼らに仕事を依頼する側の人間として、彼らの才能をスポイルしたり、より国にとって有益な活用方法もあるだろうになあという、まさに、余計なお世話だよという思いをいだいてしまいました。そして。そのことを、考えた自分に対しても自己嫌悪を持ちました。

みんな、個人としては、より良いキャリア・給与のために働いているだけなんですが。

 

翻って、日本やアメリカの人にとっては、国際開発の仕事は決して給与的にそこまで魅力的ではありません。実際に僕の友人や前職の同僚は僕よりもはるかに高いjob securityと、概して高い給与を得ています。一般化することは難しいですが、それでも、給与面での条件よりも面白い仕事や、中々見れない景色やできない経験、そして少なくとも、この世界でより生まれながらにチャンスに恵まれない人のために働いているという実感のためにこの仕事を続けているし、まだまだ続けていきたい、ビルゲイツのように多額の資金を個人としてこの業界に投下するやり方ではなく、この仕事を続ける中で身につけた能力や人脈で、個人としての影響力を増していきたい、貧困のない世の中のために