MBAに入って3か月がたった。ここらへんで少し自分なりにこの3か月を振り返りたいと思う。冬休みが長いから次の3か月は一瞬で過ぎてしまい、その次の3か月はもう翌年の準備をしているだろうから、今がベストなタイミングである。
0.MBAに行くまでの話
僕は多くの日本人MBA生と同じく、30歳を超えてからMBA受験の準備を始めた。社会人としても7年以上の経験を持っている。加えて、MNC(Multi National Company)・経営コンサルティング企業での就業経験、母国以外での就業経験も持った状態で私費留学としてMBAに来た。このことは、日本・韓国を除く国から来ている同級生よりもどうしたって自分の年齢が高く、また業務経験が豊富であることを意味している。自分の企業の4年目の社員とかを考えてほしいんだけど、やはり経験値の差とそこから生まれるMatuarityというものはいかんともしがたいものがある。
また、MBA生の卒業後の希望進路というのはかなり類型化できる。これは学費が高いことによって給与が高い企業にしか就職しがたいという理由が背景にある。自分の通っている学校の例で表すと、学生の20%はファミリービジネスに経営陣として入社する。20%のプロフェッショナルファーム(投資銀行・経営コンサル)から来ている人はPE・VCに行きたがり、50%のそれ以外の企業から来ている多くの人は、プロフェッショナルファーム・MNCのLDP(Leadership Program)に行きたがる。で、残りの10%は将来を決めかねている人か起業家志望という塩梅である。プロフェッショナルファームから来ている人にとってMBAの授業の負荷は正直そこまで大きくないとはよく言われることであるし僕自身もそう感じている。
実際、コンサル時代に一番尊敬していた上司(米国MBA保持者)からは、「MBAなんて大したことない、しょせん基礎的なことしかやらないし年齢を考えてもコンサルを続けたほうが絶対にいい。お前は損をする!」と説教をされたことを覚えている。
1.当初MBAに求めていたもの
上記のようなことは理解してMBAに来ていた。で、僕自身がMBAに求めていたのは、自覚していたかどうかは別にして以下のものである。
(1)人脈
・同級生
-アジアの中で親友といえる人を作ること
-アジアの超優秀な同級生と仲良くなること
・アルムナイ
-アジア x ヘルスケアの分野におけるシニアとのコネクション
・先生
-その道の専門家と卒業後もつながるコネクション
(2)人生の余暇
・自分が想像できないような非連続な変化を遂げるきっかけ
ー思想に違う国に住む
ー自分よりも優秀な人から刺激を受ける
-今までより多様な本を読む
・将来の進路を決めること
-コンサル以外の道
-海外で住む道を探す
(3)仕事のスキル
・広くて浅い経営全般に関する知識
-特に今まで無視してたファイナンス関連
-マーケティングや経営戦略もちゃんと学びたかった
・最新の経営のトレンド
-倫理とかBOPとかSocial Businessとかアントレとか学びたかった
・語学力の向上
-英語(海外の超一流企業で雇われるレベル)
-中国語(ペラペラ)
(4)進路
・満足のいく就職先の確保
-住む場所を変える(日本に帰りたくなかった)
-仕事内容を変える(もう少しヘルスケアに寄せたかった)
-給与(当然1.5倍くらいにしないとペイしない)
2.今のところの振り返り
上記の欲しかったものを振り返りたいと思う。
(1)人脈
・同級生
-アジアの中で親友といえる人を作ること
→△:今のところ親友レベルはいないかな。韓国人・台湾人で一人ずつ仲いい。そこまで深い話ができていないってのも理由の一つだと思う。
-アジアの超優秀な同級生と仲良くなること
→△:超優秀な奴いない。。もう少し探す。
・アルムナイ
-アジア x ヘルスケアの分野におけるシニアとのコネクション
→◎:これに関してはすでに達成したといえる
・先生
-その道の専門家と卒業後もつながるコネクション
→△:200人生徒がいるとあまり先生と仲良くならない。。というか仲良くなりたい先生がいないのが本音かな。
(2)人生の余暇
・自分が想像できないような非連続な変化を遂げるきっかけ
ー思想に違う国に住む
ー自分よりも優秀な人から刺激を受ける
-今までより多様な本を読む
→◎:これに関してはすでに達成したといえる。やっぱり全然思想の違う国に住むの大事だなと改めて思う。僕たちはどうしても、自分の理解できない国に住む人のことを宇宙人みたいに思うんだけど、一緒に時間を過ごすと全く自分と同じような人なんだと分かったのはよかった。自分より優秀な人はいるんだろうけど、過去の自分の知り合いと比較してそこまでレベルがずば抜けていないんだと思う。また本は読めてないなあ。。ここは残念。
・将来の進路を決めること
-コンサル以外の道
-海外で住む道を探す
→◎:これに関してはすでに達成したといえる。入学前に絶対無理だと思っていた夢に少し近づいている感覚がある。それは実は大学生の時にも考えていた夢で、自分では無理だと思ってあきらめていたものなので、感慨深い。
(3)仕事のスキル
・広くて浅い経営全般に関する知識
-特に今まで無視してたファイナンス関連
-マーケティングや経営戦略もちゃんと学びたかった
→×:ここは元上司が正しかった。ほんとに学び自体は大したことない。そもそもMBAは学ぶ科目数がめちゃくちゃ多いのに時間がないので薄く広くが思ってたよりひどい。
・最新の経営のトレンド
-倫理とかBOPとかSocial Businessとかアントレとか学びたかった
→×:これもダメ。MBAに学問を期待してはいけないと認識を改めた。学びたければ自分で勉強するしかないな。
・語学力の向上
-英語(海外の超一流企業で雇われるレベル)
-中国語(ペラペラ)
→×:これもダメ。正直今の英語力で議論は行けてしまうのがつらいところ。中国語は全くダメ。
(4)進路
・満足のいく就職先の確保
-住む場所を変える(日本に帰りたくなかった)
-仕事内容を変える(もう少しヘルスケアに寄せたかった)
-給与(当然1.5倍くらいにしないとペイしない)
→?:まだ卒業していないのでここは未定で。
加えて、自分が得られたのは以下の二つ
①奥さんとの時間:仕事しているより圧倒的に時間が自由に使えるので、奥さんと話したりお出かけできるのは幸せである。改めて結婚してよかったと思った。MBAは独身で来るとパーティーとかあって恋愛面でも楽しそうだけど、僕はもうそういうのはいいかな。
②日本・世界を鷹の目で見る能力:改めて、日本の企業って凄いなって思えた。例えばここ20年のブランドランキングとか見ても、アメリカ企業以外で登場するのって日本とドイツと韓国くらいなんだよね。日本にいるとトヨタが売れてるのはある種当たり前に思えてしまうんだけど、同級生の出身国(アジアもEUも!)なんてランキングに一度も出てこないんだよね。これだけみても、「あー日本企業すごいじゃん」って思えた。そこに貢献したいとは別に思わないけど。
③自分の立ち位置の確認:日本で一流の人材(自分です)であれば、世界的にも一流なんだというのが肌感覚で理解できたのも大きな収獲。来年からアメリカに行く予定なんだけど、おそらくそこでもこの感覚は変わらないと思う。つまり、自分は世界でも一流の人材なんだという自信をもってこれからの仕事人生を歩んでいこうと思えた。日本にいると、アメリカの一流企業のほうが過ごそうに見えるんだけど、大抵の人の差は誤差で、あとは本当にコツコツ努力でききるやつとか、異常なまでにモチベーションの高いやつとかが最後は残るのかもなとふと思った。
3.残りの9か月に向けて
上記の振り返りを基に、自分が残り9か月で強化したいものは以下の通り。
(1)人脈
・同級生
-アジアの中で親友といえる人を作ること
→もうちょい積極的にランチ・ディナー誘って少人数で仲良くなる作戦をとる
-アジアの超優秀な同級生と仲良くなること
→同上、今まで話してないけど賢いなって思うやつとコミュニケーションとる
・アルムナイ
-アジア x ヘルスケアの分野におけるシニアとのコネクション
→今までと同じ
・先生
-その道の専門家と卒業後もつながるコネクション
→面白い授業があれば先生と仲良くなる
(2)人生の余暇
・自分が想像できないような非連続な変化を遂げるきっかけ
ー思想に違う国に住む
ー自分よりも優秀な人から刺激を受ける
-今までより多様な本を読む
→時間があれば本を読むだが、語学よりは優先度は低い。
・将来の進路を決めること
-コンサル以外の道
-海外で住む道を探す
→引き続き関係者にアクセスし続ける
(3)仕事のスキル
・広くて浅い経営全般に関する知識
-特に今まで無視してたファイナンス関連
-マーケティングや経営戦略もちゃんと学びたかった
→あきらめる
・最新の経営のトレンド
-倫理とかBOPとかSocial Businessとかアントレとか学びたかった
→これは本で代用(時間による)
・語学力の向上
-英語(海外の超一流企業で雇われるレベル)
-中国語(ペラペラ)
→ここに時間を投資する。具体的には、英語はAcademic Writingの授業をオンラインでとる。中国語は毎日25分Skypeと単語暗記を徹底する
(4)進路
・満足のいく就職先の確保
-住む場所を変える(日本に帰りたくなかった)
-仕事内容を変える(もう少しヘルスケアに寄せたかった)
-給与(当然1.5倍くらいにしないとペイしない)
→引き続き頑張ります
以上、久しぶりに振り返ってみた。
感想としては、MBAに過度に期待をしていなかったのでSo Far満足度は高い。何より、日本にいたら思いもしなかったキャリアの選択肢が見えたこと・海外で働いても気づけなかった視点を身につけられたことには本当に満足している。
後は、語学・友人方面をもう少し強化したいというのが残り9か月に向けた抱負。