Global Healthの世界で働く経営コンサルタント

Global Healthの世界で活躍する

MPH留学が半分終わったので、少し振り返り。

今週は中間テスト週で、明日から怒涛のテストなのですが、完全に現実逃避でMPH留学前半戦を振り替えりたいと思います。

 

【大学の学び関連】

1.人間がいかに数字を理解することができないかが分かった。

疫学・統計を深く学ぶ中で、今までの自分の因果関係に関する理解が極めて浅かったと感じている。日本語のニュースを見ていて、一般的な日本人はあまり確率計算とかが得意じゃないのかと思っていたけど、そういう話ではなかった。コンサルタント時代に自分の行っていた”分析”も科学的にはめちゃくちゃ怪しかったなと忸怩たる思いを感じる。

ただ、自分が学んでいるレベルのことをニュースとかで理解してもらうのは難しいと思うので、どこかで専門家が恣意的に情報を優しく伝える必要があり、そこに人々は怪しさを感じ続けるだろう。

 

2.サイエンス至上主義ともいえる環境であり、驚くほどビジネスの世界を感じない

同級生も先生も、ビジネスの世界とはかなり距離がある。だから就職先としても、いわゆるMBA的な会社の名前は全く聞かない。特殊な世界なんだなと改めて思う。なんというか、理系の大学院っぽいというか、医学系だからなのかもしれません。自分の生きてきた、いわゆるビジネスのエリート的な世界と全く違う世界があるというのは新鮮だったし、自分はビジネスの世界に染まりすぎたのかもしれません。個人的にはサイエンス・ビジネスは世界の発展の両輪だと思うので、どちらも重要である。

 

アメリカ在住関連】

3.身近に問題が山積していても、意外と普通に生きられる。

銃・オピオイド大麻・貧困・ホームレス・・・こっちでは頻出の言葉だし、ニュース・授業でも頻出。映像を見るとその悲惨さが際立つんだけど、日々の暮らし自体は意外と影響を受けていないと感じる。これは自分がお客さんという立場だからだと思う。もしも子供がいたら、子供をこんな環境で育てたいかというとなかなか悩ましい。アメリカの教育(大学生が真面目に勉強することや、大学の先生のレベルが高い)・生活環境(大型犬が多いし公園が多くて幸せ)は本当に素晴らしいものがあるな、と思う一方、社会問題(多くの問題は歴史に紐づいているので解決が難しすぎる。。)があまりにひどすぎると感じることも多い。

 

4.料理の腕が上達した。

外食が高く栄養化が偏るので、美味しくて健康な食事を食べようと思うと自炊一択。Whole Foods Marketというオーガニックスーパーと、H Martというアジア食品スーパーがあるおかげで何とかなっています。

個人的には、茅乃舎のだしと、友人が教えてくれた野菜を冷凍して使う方法を覚えてから、夜は肉と野菜を入れたスープをひたすら食べている。トマト入れればイタリア風、キムチ入れれば韓国風、しいたけ入れれば日本風。完璧。

 

5.健康的な生活をしようと努力をしている

毎日8000歩歩く習慣や、週に2-3回はジムに通う習慣、上でも書いたが毎日一杯新鮮な果物を食べるようにしている。これは、意識をしないとどんどん太っていくような食事があふれているからでもある。

 

【キャリア関連】

6.本当にこの道に進んでしまっていいのかと少し怖いが、行ってみたらいいんじゃないか。

疫学を専門的に勉強していく中で、もっとこの分野をやりたいと思うようになった。特にField Epidemiologyと言われる分野で仕事がしていきたいと考えた。ただ、今までのキャリアを利用しないわけにもいかないので、疫学も判りつつ途上国の公衆衛生の底上げみたいな仕事か。

もしもビジネスの世界に戻ればお給料はいいんだけど、日々の仕事レベルで、そして仕事の提供する価値レベルで、両方満足感が得られそうな仕事を続けていきたいと思ったのだ。

 

【人間関係】

7.妻や家族と離れて暮らすのは寂しい

1年くらいならいいけど、あまり長いのは辛いなと感じた。僕は小さいころ転校が多く、なぜ父の仕事についていかなければいけないのかと思っていたが、むべなるかな。

また、家族や友人と会わないと、そして時差があると、どうしても距離が広がってしまうので、母国以外で暮らすという事は本当に真剣に考える必要がある。

 

8.自分の社交力の低さが時に嫌になります

プライオリティを大学での学びと就職活動においているので、ほとんど同級生と遊べていない。心に余裕がないことに加え、生来の社交力の低さが影響している。。あと、同級生の7-8割が女性なので、なかなか食事などに誘いづらい。。妻がこっちに一緒に来ていれば、ホームパーティー的なことをやればいいんだろうが、なかなか難しさを感じているところ。

 

なんか思いつくままに書いてみたが、オーバーオール幸せに生活をしています。日々の学びは圧倒的で、知らなかったことを深く知る機会、その道の専門家に直接師事する機会は貴重です。先生方はアメリカ政府のアドバイザーだったり、超一流の専門家の方々なので。そして、そういう先生方も普通に一人の人間で、同じように生活し働いていると思えたことが貴重な発見だった。

そしてまた、忙しすぎる日々の中で、将来の不安やらもあるんだけど、そういうことを仮面を被らず率直に話し合える同級生が数人いるという事も幸せです。大勢の人と仲良くなるのは得意ではないので、数人と仲良く過ごしていきたい。

比較というほどではないが、MBAの同級生達はみな極めて素敵な人である。彼らは自分の能力をストレッチし、最大限に能力を活かし、その恩恵を受けることを重視している。一方、MPHの学生は医療系・研究系、政府系・ノンプロフィット系の人々が多いので、どちらかというと、Social Goodのために何かをしたい、という志向性を持っている人々が多いとと感じた。ややもすると、自身の能力を最大限伸ばし、活躍するという考えが薄いようにも思える。自分は環境に染まりやすいので、気を付けよう。