2021年が残り1週間を切ったので、改めて2021年を振り返ります。
【プライベート ベスト3】
1. アメリカへの大学院の留学を再開
もはやオンラインで学位を取ってしまおうかと思ったりもしましたが、結果的には2021年8月からここアメリカで、MPHの勉強が出来ていることが最も素晴らしいことでした。改めて、奨学金をくれた団体、推薦状を書いてくれた前職の恩人や、短期間ながら雇ってくれた元上司、そして常に応援をしてくれている妻・両親・兄弟に感謝をしている。
2.家族が健康
1と繋がる話だが、家族が健康でいてくれるからこそ、気にせず海外で勉強を続けられていると思う。このままできるだけ長く健康を保ち続けられたらと願うばかりである。
3.友人の見舞い
過去にもこのブログで書いたが、大学時代の友人が末期がんとなり見舞いのため日本に一時帰国をした。友人から連絡をもらってすぐに日本に帰れるだけの状態であったことを喜びたい。そして何より、会うことができて本当に良かった。年末にもZOOMで話す予定である。少しでも長く、生きてほしい。
daisgreatadventure.hatenablog.com
【仕事】
1.念願の開発ど真ん中の仕事
10年近く憧れていた開発ど真ん中の仕事に就くことができたのは幸せだった。本部勤務という事で、全体像を見れたので、次はもう少し現場の仕事もしたい。
WHOの国オフィス・地域オフィスでみっちり現場に係るのがいいかなと考えている。
【エンタメ】
エンタメの振り返りは行ったので、その中でもベスト3を書いておきたいと思います。
(映画ベスト3)
1."Two Distant Strangers(隔たる世界の二人)
これは本当に絶望的な気持ちになる映画なんだけど、2020年代の今、アメリカに住む自分としては絶対に見なければいけない映画。世界中で、”分離”が起きているが、人間は”Unite”が出来なくても互いの立場を理解することは出来ると信じている。
2. 『シン・エヴァンゲリオン』
これも最高の映画体験だった。過去作をぶっ続けで見てから望んだからか、本当に自分が碇シンジになったかのような気持ちで見ていた。何を書いても陳腐になりそうなのだが、あの、長い長い歩きでの旅をの後に、たどり着いた村での生活。碇シンジは何もしていないが、綾波(仮)が自分に目覚めていく場面、自分の意志でエヴァに乗る場面、どこをとっても、人生に絶望した人間がどん底から這い上がる話ですごく好き。
映像的にも、パリでの戦闘シーンのカッコよさは僕の心に残っている。
(小説ベスト3)
1. 三体
ついに完結。三体は1を読んだ後、日本語版が出るのを待ちきれず英語版で2も3も読んだのだが、素晴らしかった。多分英語だと零れ落ちているところもあるので、また読み直したい。何がこんなに素晴らしいのか?
物語は、極めてシンプルな異世界ファーストコンタクトものなのだが、中国という舞台設定による歴史的な面白さ、登場人物がそろいもそろって癖があってかっこいい、そしてどんな登場人物も死ぬ可能性があるという残酷さ、三体のゲームの設定の面白さ、どこに物語が向かっていくのか本当に予想もできないツイスト。最高の徹夜本。未だにこの本を読んだことない人がうらやましい。絶対に損はさせないのでまずは1巻を読んでみてほしい。
2. Pachinko
今年読んだ本の中で最も心を動かされた物語。もともと、何世代かにわたる家族の物語が大好きで、桜庭一樹の『赤朽葉家の伝説』、北杜夫の『楡家の人びと』、ガルシア・マルケスの『百年の孤独』等も愛読していたが、『パチンコ』もそれらに負けず劣らずの傑作。好きなポイントはいくつもあるが、差別をされる人種として生きていくことのリアリティを仮想体験させられるのが凄い。本当に辛く絶望的な気持ちになる。でも、それでも負けずに生きていくしかないのだ。そして、自分の世代で返せなかった借りは次世代で返すという人間の執念に言葉を失います。
(ノンフィクションベスト3)
1. 向田邦子ベストエッセイ
これも最高。今年初めて、エッセイを丸々10ページほど写経してしまった。この『手袋をさがす』だけでもいいから立ち読みしてほしい位最高。フェミニストの端くれとして断固支持します。このブログも最高だった。
2. The Choice(アウシュヴィッツを生きのびた「もう一人のアンネ・フランク」自伝)
日本語版が出る前に英語で聞きました。日本語版のタイトルがダサすぎるけど、とにかく凄まじいホロコーストサバイバーの物語。読んでくれとしか言えない。
これを聞きながら会社に通っていると、頭が凄まじく揺さぶられて午前中は全く仕事がはかどらなかったのを思い出す。絶対に読んだ方がいい。
この話もまた、人生のどん底中のどん底に叩き落された文字通り何の罪もない少女が、生き延びて生き延びて、自分の人生の意味をつかむ話。僕の敬愛するフランクルさんも出てきて、我々が人生の意味を探すのではなく、人生が我々に何を問うているのかを考える、という言葉を思い出した。読んでいて涙が出てしまうが、それでも読むことを進めたい。
3. 失敗の本質
戦略を学んだことのある日本人なら一度は読もうとしたことがあるだろう名作。僕は過去10年の間に3回以上は読もうとして読み続けられなかった。読書にはタイミングがある。
日本的組織の失敗について6つの作戦失敗というケーススタディを用いて、これでもかと執拗に書き連ねる。日本の組織で働いた経験のある人なら、日本で生活したことがある人なら、膝を打ちたくなるような、ダメな組織の運営が国家レベルでもそして、戦争という緊急事態でも同様に遂行されるのを見るにつけ、この病の重さが辛い。