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『素晴らしき哉、人生!』感想

見ました。

 

 

 

【見た状況】

 

アメリカでは毎年クリスマスの時期になるとテレビで放送する古典とのことです。僕は、高校の友人に7年前に勧められて買っていたので、昨日母と弟と3人で見ました。

 

【あらすじ(Amazonより)】

 

フランク・キャプラ監督とジェームス・スチュワートの名コンビによる、心温まる人生賛歌。人生っていいものだ、人間ってすばらしい! と前向きになれる。また、ラストの感動とすがすがしさは、観る者の胸に暖かい明かりを灯してくれるだろう。    心やさしいジョージは故郷の小さな町を飛び出し、世界を舞台に活躍する夢をもっていた。しかし、相次ぐトラブルで町にとどまり、父の会社を継ぎ、そして家庭をもった。町の人々からも慕われ幸せに暮らしていたが、クリスマスの日、人生最大のピンチに見舞われる。絶望感から自殺を図ろうとするが、そのジョージのもとに、なんと彼の守護天使が現れる。キャプラはこの作品でも、コメディタッチのオブラートに包みながら、ヒューマニズムにあふれる演出で普遍的な感動を与えてくれる。

内容(「Oricon」データベースより)人生に絶望し、自殺しようとした男は、二級天使の力で自分のいない世界の悲惨さを体験し、生きる希望を取り戻す…。名匠フランク・キャプラ監督が贈る名作ファンタジー。

 

【感想】

とても良い映画!!アメリカ人が毎年見てしまうことがわかるほどの傑作。映画解説者の町山智浩さんの解説を聞いていて思い出したのですが、まんま「死神くん」という少年漫画と同じプロットですねこれは。

 

死神くん 1 (集英社文庫―コミック版)

死神くん 1 (集英社文庫―コミック版)

 

 

 

ちょうど自分自身が30歳になりかけだったり、結婚直前だったり、転職したてだったりで、人生の岐路に立っているなあと思っていたのでなお心にしみました。30歳になって自分が得てきたものや失ってきたものがクリアに見えてきました。誰だって、「あの時、こうしてればどうなってたかな〜」という思いを持ったことはあるかと思います。僕だってあります。例えば、「高校生の時に留学してたら、今一番仲の良い奴らとは会ってなかったな、とか」この映画は、誰もが持つその問に対する一つの答えだと感じました。余談ですが、先日再読した佐藤正午の「Y」という物語とも「自分の人生で失ったものに未練がある男が、どうその問題にケリを付けるか」というモチーフは同じです。結論が逆なのはとてもユニークです。どっちが良いとか悪いはありませんが、あえて言うと宗教を持っている国の人の映画かどうか、と言うのは両者の結末が逆になっていることの理由の一つだと思います。

 

Y (ハルキ文庫)

Y (ハルキ文庫)

 

 

僕が映画を見ていて一番感じたのは、これは素晴らしい兄弟映画であり、人生の本質を伝える映画だということです。主人公には年が近く自由気ままな弟がいて、兄として弟のことを誇りに思いながらも、自分が自由に生きられない分少し嫉妬をしています。彼は自分が幸せの絶頂の時にも他人を助けるために自分の幸せを犠牲にしてしまうような人間です。自分自身に高い能力・魅力があり、野心もあった若者が自分の夢を諦め他人のために尽くして中年になると、どう感じるのでしょうか。心のどこかで「人生を自分以外の他人のせいでダメにされた」という思いを持った主人公が、本当の人生の幸せに気づく瞬間はとても爽快です。幸せは、別に自分のやりたいことを叶えることでだけ得られるものではなく、周りの人との関係性の中にしかないという強いメッセージを受けました。

また、人間生きてりゃなんとかなるというふうに思える点で、「ショーシャンクの空に」にも近い映画だと思います。

 

ぜひご覧ください!!

 

素晴らしき哉、人生! ジェームズ・スチュワート ドナ・リード CID-5011 [DVD]