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「DEFAMATION」感想

邦題は無いが、意味は「差別」です。

録画していた「松嶋・町山の未公開映画を観るTV」で見ました。最近2日に1本のペースで映画を見ています。英語の勉強という言い訳があるので心苦しくなくてよいです。

 

Storyline

Intent on shaking up the ultimate 'sacred cow' for Jews, Israeli director Yoav Shamir embarks on a provocative - and at times irreverent - quest to answer the question, "What is anti-Semitism today?" Does it remain a dangerous and immediate threat? Or is it a scare tactic used by right-wing Zionists to discredit their critics? Speaking with an array of people from across the political spectrum (including the head of the Anti-Defamation League and its fiercest critic, author Norman Finkelstein) and traveling to places like Auschwitz (alongside Israeli school kids) and Brooklyn (to explore reports of violence against Jews), Shamir discovers the realities of anti-Semitism today. His findings are shocking, enlightening and - surprisingly - often wryly funny. Written by FRF

 

というストーリー。

 

これを見ながら考えたのは、教育=洗脳の恐ろしさ

先日、

名著「トルコのもう一つの顔」

 

トルコのもう一つの顔 (中公新書)

トルコのもう一つの顔 (中公新書)

 

 

 

を読んだときにも思ったのだが、人は小さい頃から常識だと教え込まれた情報を疑うことができない。当たり前に存在することだから疑おうとすら思えないからだ。

 

この映画では、世界中がユダヤ人を嫌っているという「反ユダヤ主義」行動が激増していると、イスラエルの高校生達やアメリカのユダヤロビイスト達は信じ切っている。実際に情報を集め、一次情報に当たると全然そんなことはないのに。

また、イスラエルの高校生達が、アウシュビッツに修学旅行に行く様子はとてもショッキングだ。彼らはイスラエルを出たことがなく、飛行機に乗ると興奮して嬉しくて泣いてしまう。そんな彼らは、ポーランドでは現地の住民は「反ユダヤ主義」でネオナチが町中にいて攻撃されるから、と教師やイスラエル諜報員に脅され外出を許されない。そのような精神状態(世界中が自分たちを嫌っていると思い込まされている)で、先祖が人種を理由に虐殺されたアウシュビッツに行くことで、高校生達はナチだけでなく、その子孫も許せないと言うようになる。これは立派な洗脳だろ。

 

僕は日本人だから、小さい頃から8月6日や8月9日には絶対に広島・長崎の人々のことを考え祈る。多くの日本の高校が広島や長崎や沖縄に高校生を連れて行く。

だけど、僕たちはアメリカを恨むようには教育されていない。もしも僕がアメリカ人を恨むように教育されていたら僕もイスラエルの高校生達のようにアメリカ人を殺すと言っていたかも知れない。

 

だけど、こんなことを続けていたら当然憎しみの連鎖は終わらないよね。

話しが脱線しまくるけど、同じようなことは旧ユーゴスラビアについても言えるし、ひょっとしたら韓国や中国の人たちについても言えるかも知れない。それに、先日見た「Mugabe and white african」ではジンバブエの黒人は白人を恨むように教育されていた、なんせ白人の財産を黒人に分配するような政策だからね。

 

差別・虐殺・殺害されたという過去を使って、共通の敵を作ることで国はまとまるけどそれをいつまで続けるんだろう。また、世界中で終わらないこんな負の連鎖に対して、どうすればいいんだろう。間違っていることは明らかなのにどうするかなんて全然答えは出ないし、はっきり言ってどうしようもない気もする。こんな僕の考えなんて所詮、こんな時間まで暖かい部屋でネットをすることが出来る日本人しか言わないようなタワゴトなのかも知れない。。僕には辛い生活を送っている人がいることを想像することは出来るけど、自分のことと同じようには感じられない。

 

だけどタワゴトを考えることが無駄だとしても、世の中にはこのイスラエル人の監督やいろんなルポライターや真実を世界中に広めようと考えている人はいる。今の僕に出来るのはささやかかも知れないけど、少しでも色々なものの見方を知り、自分が正しいと思うことを正しいと主張できるようになること、そしてばかげた子どもみたいな意見でもこうやって公にすることだけかなと思う。