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取手の通り魔事件について

先日起こった、取手の通り魔事件について友人がmixiの日記に書いていました。

そこで、友人が「自殺」とかgoogleで検索したら、すかさず「死ぬ気なら、空気の美味しい農家で働こう!」みたいな求人を出すと良いのでは。という意見を書いていたので、それに対して自分の意見をメールしました。

別にこんなところでさらす必要も無いのですが、せっかく長々と書いたので載せます。

 

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日記の問題意識には非常に共感できるわ。
ところで、今回の事件の犯人はなんで事件を起こしたのだろう?単に仕事がなかったからってのは表層的すぎる考え方じゃないかな?一年前に解雇されてずっと仕事を探してて仕事がなかったとは考えられないから。
僕は、彼が
「仕事を失い、未来に希望を持てず、生きていても死んでいても同じだと思ったから」 
事件を起こしたと考える。だからこそ、社会的に自分を殺す行為=殺人をしようと考えたのだと思う。

そして彼が未来に希望を持てなかったのは、彼の仕事がいわゆる

 

マックジョブ(=給料が安くてやりがいが特に無い仕事)

だったことが大きな原因だと思う。もし彼が中小企業のサラリーマンだったら仕事を首になってもこんな事件を起こしてないんじゃないかな。
なぜか。マックジョブってのはその名の通り誰でも出来る仕事だし、将来的なキャリアも考えられない。誰でも出来る仕事すら首になる自分というのは社会にとって必要ないし、数十年後の自分が人並みの生活を出来ていることも考えられない、つまり未来は現在よりも良くならない。彼はそう考えたと僕は思うんだよね。

そしてこの問題ってのは全然人ごとじゃない。
だって、世の中にはマックジョブをせざるをえない人ってのが絶対一定数いる。別にこれは良い悪いの話しじゃないんだけど。そして、そういう人たちの給料ってのはこれから下がり続けると思うんだよね。(日本の経済は停滞しているし、失業率が上がれば誰でもできる仕事の賃金は下がる)

だから問題は、マックジョブをやりながらでも人生の充実感を感じさせることだと思う。共同体が崩れる前はおそらく、こういう人は

仕事(つまらん)+プライベート(おもろい)=そこそこの人生 

だったと思うんだよね。ただ現状で共同体はかなり崩れてしまってるわけ。よって考えられるのは
①共同体を復活させプライベートでの充実を目指す(例えば今回の彼に、失業やら悩みやらを相談できる友人はいたのだろうか?趣味に関するサークルでもなんでもいいんだけど。。)
②崩れ去った共同体は復活できないので、新たにプライベートでの充実を目指す(小説を書くことでも良いし、なにか孤独を癒すものはなかったのかな)
③仕事を面白くする(難しいかなこれは)

の3つかな。

嫌な言い方をすると、「誰もが犯罪をしない程度には人生を楽しめる」ようにしなきゃこの種のアホみたいな犯罪ってのは無くならないと思うんだよね。人生を諦めた似たような模倣犯も現れるだろうし。

で、そのためにどうすれば良いのかって言うのが大事だとは思うんだけど、個人的には上の3つの選択肢で言うと①かなあ。
やっぱり人が生きていくのに共同体ってのは絶対に必要で、どんなつながりでも良いから心を許せる場所ってのが必要なんだよね。仕事を首になったり女に振られたりしても、誰か一人でも自分を認めてくれれば人は生きていける。ってのは甘すぎるかなあ。ただ、彼のように大人しい(らしい)人見知りの青年にはたった一人の友人すら作るのが難しいのかなあ。

なんか書けば書くほど憂鬱な気分になってきたわ。果たしてどうすれば彼は事件を起こさなかったのか。こんな単純なことすら解決できないとは。
長々と書いてみましたが、ちょっとでも自分の意見を伝えてみました。
では。

 

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と友人にメールをしたのですが、社会問題を自分に身近な問題をとらえ解決することの難しさをいやというほど感じました。当然今回の犯人が単なる××(好きな言葉を入れて下さい)なだけかもしれないし。。

上の文章では書かなかったのですが、僕自身は仕事がない人が何万人もいる中でこの種の犯罪を犯す人の少なさを考えると彼に同情はまったくしていません。完全にこの事件の責任は社会ではなく彼にあると思います。

ただし、それでも同じような事件を起こす人を減らすためにはどうすればいいのかという視点で考えました。