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「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」感想。水嶋ヒロと才能について

橘玲さんの「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」を読んだ。相変わらずおもしろい!著者はシニカルに世の中を眺めつつ熱い気持ちを持っていて、読んでいて気持ちがよい。

 

僕は橘玲さんが大好きだ。彼の身も蓋もないところが好きだ。彼は世間の嘘を暴くし、僕らの中にある欺瞞を暴く。

 

例えば、「好きを仕事にすればよい」「誰にでも何らかの才能がある」という学校の先生の大好きな言葉の裏にある残酷な真実をあぶり出す。

好きなことが市場で必ずしも高価値ではないこと、そして自分が好きだからといって能力がなければ

その世界で高給を得ることはできないことを。

 

イチローは名前は平凡だが、野球の天才だ。全国の小学生が野球好きで野球を仕事にしたくてもまず仕事にはできない。みんなイチローを好きなのは、彼が小さい頃から修行僧みたいに異常に生活を野球に捧げて努力をしていたことを知っているからだ。つまり、彼は「好きを仕事に」するために努力をしまくったからみんな好きなんだ。

だけど、
もしあなたがイチローと同じほど練習をしたとして、あなたは世界一のバッターになれただろうか?
まあ無理だろう。このことからはみんな目をつぶっている。

 

最近、水嶋ヒロが騒がれているが、彼がめちゃくちゃ嫉妬されている理由はおそらく、「好きを仕事に」しているのに、すぐにそれを手放してしまうからだ。そして「好きを仕事に」するために努力している感が少ないからだと思う。

僕達は「好きなことを仕事に」することが実はとても難しいということを知っているのにいつも知らないふりをしている。それなのに、水嶋ヒロを見るといつもそのことを思い知らされる。

サッカーが大好きでも高校の全国大会でベスト4になることは難しい。

演劇が好きでも人気俳優になるのは難しい。

小説が好きでも小説家になるのは難しい。

彼は何でも出来てしまうのに全てを手放す。

普通の人はこの中の一つでもできたら、と毎日夢を見ながら頑張っているのに彼はなんでもできてしまう。そりゃあ見るのがいやになるわ、そりゃあグチグチ文句を言いたくなるわ。

僕だってはっきり言って彼には嫉妬してしまう。

 

…でもさー、自分が天才じゃないからって頑張んなくていいの?人の悪口を言ってればいいの?


当然NOだろそんなもん!!

 

他人が天才で自分が凡人だって分かってるなら、他人より頑張らなきゃ。人の悪口言うくらいならそいつを認めるべきだろ。

僕はそーいう人を羨んで愚痴を言うやつや、頑張らないやつは本当に嫌いだ。

自分の能力が大したことないなら、その中でつかえる武器は何で、どーやったらその世界で生き残れるかを頭を振り絞って努力をしている人間が僕は好きだ。

そして、自分もそのような人間でありたい。

 

 

 

(2017年5月追記:2016年、橘さんは『言ってはいけない』という新書でスマッシュヒットを飛ばす。正直内容自体は今まで彼が言っていることと同じで新鮮さはない)