(短い感想)
テクノロジーの進化で本当に人は幸せになってるだろうか?ってのがよく自分が考える疑問なんだけど、ヴォネガットは明確にNOって言ってる気がする。
幸せってのは身近にあって失わないと気づかないんだよな。
•買い物に行ってからの文章
『電子化されたって、いいことなんか、何もない。苦労するだけ損だ。われわれはダンシング・アニマルなのだ。起きて、外に出て、何かするというのはすばらしいことではないか。われわれは、この地球に住んでばかばかしいことをするために生まれてきた。これに関してはだれにも違うとは言わせない。』
『政府や企業やメディアや、宗教団体や慈善団体などが、どれほど堕落し、貪欲で、残酷なものになろうと、音楽はいつもすばらしい。
もしわたしが死んだら、墓碑銘はこう刻んでほしい。
彼にとって、神が存在することの証明は音楽ひとつで十分であった。』
•作家になったことについて
『唯一わたしがやりたかったのは、人々に笑いという救いを与えることだ。ユーモアには人の心を楽にする力がある。アスピリンのようなものだ。百年後、人類がまだ笑っていたら、わたしはきっとうれしいと思う。』
•叔父さんと小さい頃に話していて
『おじさんの、ほかの人間に対するいちばんの不満は、自分が幸せなのにそれがわかっていない連中が多すぎるということだった。夏、わたしはおじといっしょにリンゴの木の下でレモネードを飲みながら、あれこれとりとめもないおしゃべりをした。ミツバチが羽音を立てるみたいな、のんびりした会話だ。そんなとき、おじさんは気持ちのいいおしゃべりを突然やめて、大声でこう言った。「これが幸せでなきゃ、いったい何が幸せだっていうんだ」
だからわたしもいま同じようにしている。わたしの子どもも孫もそうだ。みなさんにひとつお願いしておこう。幸せなときには、幸せなんだなと気づいてほしい。叫ぶなり、つぶやくなり、考えるなりしてほしい。「これが幸せでなきゃ、いったい何が幸せだっていうんだ」と。
•賢い人との話
『わたしは言った。「ソール、きみは才能があるかい?」