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「アメリカンビューティー」感想。愛すべきダメ親父が女のために頑張る映画(笑)

先日TSUTAYAで借りてきて見ました。ずっと見たかった映画でしたが、その期待を上回るとても面白い映画でした。

 

(ストーリー)

ケビン・スペイシーアネット・ベニング共演で贈る、アカデミー賞主要5部門に輝いた傑作コメディ!リストラされた中年男レスターが、ある日娘の親友に一目惚してしまい…。隣家に新しい住人が来た事で崩壊していく家庭をシニカルに描く。(amazonより抜粋)

 

基本的にはコメディーなんですが、その中でもダメ人間が頑張る姿は美しい。

はっきり言ってここに出てくる人間は揃いも揃ってバカばっかりなんだけど、それがまた身につまされる。自分の中にも彼らがいるかもしれない。

高校生達は自分が普通であることに耐えられず、主婦は夫に愛されず仕事も上手くいかないことに耐えられず、サラリーマンは妻や娘や同僚から尊敬されないことに耐えられない。普通ならそこで、自分を変えてみようと思うんだけど、主人公のサラリーマン以外はみんな他人やモノに変えてもらおうとする所がまた痛い。

 

(以下だいぶネタバレ)

主人公のサラリーマンだけはこの物語の中で、唯一能動的に努力をして、自分で自分を変えようとする。そして、その努力は成功する(!)

ラスト、頑張ったご褒美を得られる直前に彼はそのご褒美を捨て(そもそもご褒美は存在しなかったともいえる)人生を去る。非常に美しいラストだと思った。残された人間の生活は確実にこの後悪化するだろうし、ここには何の救いもない。しかしそれは人生も同じであり、唐突に終わってしまうからこそ頑張るしかないのが人生だと思った。

 

ちなみに、この映画で「アメリカの中産階級の病理」もよく描かれていると思うが、僕にはやや類型的過ぎるような気がした。元軍人の頑固親父がゲイとか、スクールカーストのトップに位置するチアガールが処女で自分に自信が無かったり、仕事の出来ない主婦が出来る男と不倫したり、もうなんていうか全てどっかで見てきたようなもの。

それよりも、主人公のくだらない動機で頑張り始めることとその顛末に焦点を当てたブラックなコメディとしての方が僕の記憶には残っている。